敏感肌専用純綿大吟醸タオル お肌への刺激ゼロ設計

アトピー性皮膚炎にも敏感肌専用タオル

 

 ふわふわ、ふかふか、柔らか、肌にやさしいなどタオルの良さを表現する言葉はいっぱいあります。私も日々、やさしい使い心地のタオルの開発に腐心しています。

 世にこれだけ「肌触りの良い」タオルが溢れているのにも関わらず、一定数の方が使い心地に不満を抱かれています。もちろん使い心地にも趣味嗜好も反映されるタオルですから、一つの価値観だけで良いタオルの定義を絞るわけには参りません。分厚い硬めの肌触りが好みの方もいらっしゃいます。

 今回開発した純綿大吟醸タオルは、ずばり過敏なのほどの敏感肌の方に喜んでいただける肌触りの良い」タオルです。お薬の副作用でお肌が過敏になてしまい、普通のタオルが肌に触れると痛みを伴うという方にお会いしたことも開発の動機の一つです。

 ・アトピーなどでお肌に炎症ができお肌が敏感になっている方

 ・薬の副作用で肌がとても敏感になっている方

 ・とにかく柔らかいタオルが好きな方 

このようなお肌がとても敏感な方、柔らかい風合いが大好きな方が喜んでいただけるタオルの6条件を定め開発の目標としました。

お肌への刺激ゼロ設計タオル

お肌にやさしいタオルの6条件
 ・もちろんやわらいこと!
 ・肌への摩擦が小さいこと
 ・洗濯しても風合いの変化が小さいこと
 ・毛羽が落ちない、お肌につかないこと
 ・軽いこと
 ・乾きが早いこと

この六つの条件を満たすべく以下の基本商品設計をしました。

 1)原料選定:超長綿のスーピマコットン使用
 2)糸設計:短い糸を極限まで削り落とし、甘撚り細番手で紡績
 3)タオルの設計:細番手の糸を活かす長めのパイル、少し織密度を下げた軽い織組織
 4)仕上げ:化学薬品や合成洗剤を一切排除し、天然酵素と石鹸で仕上げ

こうして、神様が細部に宿るべく一切の妥協を排して純綿大吟醸タオルを作り上げました。

スーピマコットンのパイル

 今回使用したコットンはアメリカカリフォルニア州サンホーキンバレー産のスーピマコットンです。スーピマコットンはアメリカのカリフォルニア州、テキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州の4州のみで栽培されている超長綿(繊維が長くて細い)で、スーピマ協会の商標です。スーピマコットンの中でも最高の品質を誇るのがこのサンホーキンバレー産。現状選択できる最良のコットンです。 

 コットンの品質をはかる2つの指標が繊維長とマイクロネイヤです。繊維長とはズバリそのコットンを構成する繊維の長さで、長いほど品質が高くなります。マイクロネイヤは繊維の太さ(細さ)の指標で、数字が小さいほど繊維が細くしなやかであると評価されます。下図はスーピマコットンと一般的なコットンの比較図です。

 細くて長くその上光沢もあるスーピマコットンを使うことで、柔らかくてすべすべして摩擦が少なく毛羽落ちも少ないタオルが出来上がります。

 ・しなやかで柔らか
 ・滑らかで豊かな光沢
 ・深い味わいのある色に染まる

 スーピマコットン繊維の短い部分を取り除くコーマ工程を通すことで、短い繊維を20%強も櫛削って除去しています。通常のコーマ工程では13%前後の除去が普通ですので、実に7ポイントも多く繊維を梳りました。まさに極限まで米粒を削る大吟醸酒さながら。大吟醸酒で米を削るようにコットン繊維の上質な長い繊維だけを残した糸をパイルに使用していますので、つるつるすべすべのお肌への刺激が限りなく小さいタオルになっているのです。

 

 

藍色の純綿タオル

 

 糸にする前工程で上述のように限界まで梳ったスーピマコットンを、工場で紡げる限界のゆるい撚り=究極の甘撚りで糸にしました。これ以上撚りを減らすと、糸を紡ぐ時に糸が切れてしまい製造できなくなるギリギリの甘撚り。この究極甘撚によって最上級の柔らかさが生まれ、お肌への刺激は極小になります。そしてさらにお肌への刺激を小さくするもう一つの工夫が、通常の糸の太さの半分以下の細い糸(細番手の糸)に仕立てたことです。

 こうして出来た極甘撚りの細番手のパイルがやや寝た状態で肌に緩やかに接触するので、肌への刺激が極限まで小さくなります。

 タオル開発の一つの方向性として、パイルを綺麗立たせることでぷっくりしていて弾力性と反発感のあるタオルの製造を目指すというのがありますが、この純綿大吟醸タオルは逆に細番手の長いパイルが寝ていることで、やさしい肌触りとなっています。こうして異次元の肌触りのタオルが出来上がりました。

 前節でご説明したように、こころばせのパイルは極甘撚ですが、無撚糸と呼ばれる糸ではありません。無撚糸とは水溶性ビニロンという糸を使ってパイルの糸の撚りを解いてタオルを製造し、お湯でビニロンを溶かして洗い流しています。

 通常タオルの重量の10倍のお水を使用しますので、200gのタオルならビニロンを溶かすのに2kgの水が必要になります。500枚という生産数としてはとても小ロットで製造したとしても、2kg×500枚=1000kg、1トンのお水を使います!

 さらに、水に溶け出したビニロンの回収にも手間がかかります。また回収設備が日本のように整っていない発展途上国にとってはとても大きな負担になっていますし、そもそも貴重な水資源の有効利用の観点からも問題視されていて、世界のトレンドは水溶性ビニロンは出来るだけ使わないようにしようね、ということになっています。

 こころばせが精紡工程による甘撚りにこだわり水溶性ビニロンの使用を避けた理由の一つが、このビニロン使用による環境への負荷の問題にあったのです。

究極のリラックス純綿タオル

 

 

 コットンはその素材特性上、洗濯を繰り返すことで硬化・劣化していきます。その硬化と劣化を最大限小さくする繊維にやさしい名水の使用と酵素による仕上げにより、コットンを最大限いたわって仕上げたのがこの純綿大吟醸タオルです。

  この神仕上げともいえる仕上加工を施してくださったのが、今治でも名高い技術とこだわりを持つ(株)河上工芸所の三宅社長です。

 西日本最高峰・石鎚山の伏流水(名水100選)と天然石鹸でこころばせ純綿大吟醸タオルは洗浄されています。合成洗剤は一切使用しません。さらに繊維中の不純物を取り除く精錬工程では、一般に使用する苛性ソーダや精練剤などの化学薬品は一切使用せず、天然酵素のみを使用。この酵素での仕上げによって糸を痛めることなく、柔らかく、吸水性の良いタオルが出来上がります。下図は天然酵母仕上げと化学薬品仕上げのパイルの形状変化の比較写真です。

 糸の痛みがとても小さいので、下の図で示す通り繰り返し洗濯でのパイルの劣化がとても小さくやわらかい風合いが長持ちします。使えば使うほどお値段以上の価値を実感していただけると自負しています。

天然酵素仕上げと化学薬品仕上げのパイル形状変化の比較

 また、この大吟醸タオルは仕上がりに風合いをよくする柔軟剤も使用していません。いわば厚化粧ではなく、すっぴん美人のタオルなんです。よくあるタオルのように買った時は柔らかいのに柔軟剤が落ちて来るとがっかりした風合いになることはありません。柔軟剤の力を借りなくても十分ふわふわ、吸水性を阻害する柔軟剤を使っていないから使い始めからグングン水を吸ってくれます。

 こうして出来上がった純綿大吟醸タオルにはもう一つ重要な性能が付加されています。それは軽量であることです。分厚く重たいタオルは体を拭く時にお肌への刺激が増し負担になりますので、極限まで軽いタオルを作ることに注力しました。したがって毎日使う上でとても重要な性能=吸水速乾性もとても高くなっています。

 

 抜群の吸水力はもちろんですが、乾きも速いのがこの純綿大吟醸タオル。ホテル用の分厚いタオルはパイルがギッチリ詰まっていて、ベースの生地も分厚いのでパイルで吸水した水分はパイルで覆われた生地の中心部に移動した水分は外気に触れにくく乾きが遅くなります。対して純綿大吟醸タオルはホテル用の太いパイルと比較すると半分以下の細いパイルで、パイルを支えているベースの生地も外気に触れる軽やかな設計となっていて、パイルを支えているベース生地に移動した水分も素早く外気に触れて乾燥していきます。吸水性は十分だけど乾きが速いタオルなので、別名:呼吸するタオルと呼ぶことにしました。

 下図は純綿大吟醸バスタオルとアメリカンサイズのバスタオルとの比較図です。

純綿大吟醸タオルとアメリカンサイズのホテル用厚手タオルの比較

 

 

こころばせと今治タオルのネーム

 ここまで純綿大吟醸タオルの開発ストーリーをお読みいただき本当にありがとうございます!

 試行錯誤の末一年がかりで出来上がった敏感肌専用純綿大吟醸タオルの名の由来はもちろん純米大吟醸酒にあります。このお酒と同じように丹精込めてこしらえました。タオルとお酒。でもこんな風にモノつくりでは共通点があったのです。

純綿大吟醸タオルと純米大吟醸の比較

こうして、開発の初めに定めたお肌にやさしいタオルの6条件を満たすタオルが出来上がりました。

 ・もちろんやわらいこと!
 ・肌への摩擦が小さいこと
 ・洗濯しても風合いの変化が小さいこと
 ・毛羽が落ちない、お肌につかないこと
 ・軽いこと
 ・乾きが早いこと

お一人でも多くの方に使っていただきたいです!