高い吸水性とちょっとひんやりが気持ちいい!ラミー(麻)とコットンを特殊な製法でミックスした日本初のタオルが出来上がりました。しなやかさとハリが共存してる新触感のラミーコットンタオルの製作物語です。
ついに完成しました。こころばせラミーコットンバスタオルは天然素材のラミーを使用することで。かろやかさとコンパクトを実現しました。従来の大判で厚ぼったいバスタオルが嫌いな特に女性におすすめです。厚くないのに弾力性があって拭き心地と吸水性は極上。従来のバスタオルからの大幅な進化を遂げたシンバスタオルです。
こころばせラミーコットンタオルの「真価」とは!?5つの特長にまとめました。
1)抜群の吸水性
2)速く乾くので洗濯がラク
3)軽くてコンパクト
4)洗濯を繰り返しても風合い長持ち
5)ずっと触っていたくなる日本初のラミーコットンの感触
バスタオルの復権を目指して
大判、厚手で扱いにストレスがかかることから、バスタオルを使用する人が減っているそうですね。こころばせラミーコットンタオルは、従来のバスタオルの嫌われているところが排除・改善されています。全身で気持良さを体感できるバスタオルの悦楽。大判タオルとの比較表をご覧ください。
次章からはタオル開発秘話をお届けします。天然素材「ラミー」が進化形バスタオルを誕生させたのです。
今を去ること14年前の2003年、独立したての私は、ある試作タオルを駄目もとで糸井重里さんの事務所に送りました。しばらくしてから、なんとご担当の方から連絡をいただき、会いたいと。そうして、種々の改良を加えて出来上がったのが「やさしいタオル」でした。
私もドクターコットンとして、サイトの連載に毎回登場しました。現在は直接関与しておりませんが、基本設計は当時のまま、現在も販売されているロングセラーです。
あれから14年。14年もかかってしまいましたが、やっとそれ以来の納得のできるタオルを作ることができました。はっきり言って傑作です。早速、私の渾身の作品を紹介させていただきたいのですがその前に、ここにたどり着くまでにひとつ、とても大切なひらめきがありました。
元々綿紡績会社のエンジニアとしてキャリアをスタートさせて、糸井さんにドクターコットンなどと過大なお名前をいただいたこともあり、とにかく綿100%にこだわって新商品の開発をしなくては!との思い込みが年々強くなっていったのでした。お客様が何を望んでいるかとは別次元で。当然企画は行き詰まります。ある時、ウールも麻も好きでよく着ているし、自分はつまる所、コットンに限らず天然素材が好きなんだと気がつきました。そこで、これら天然繊維のいい所取り、ベストバランスのミックスを突き詰めてみようという考えに至ったのでした。その発想でできた糸の第一弾がウールコアコットン糸でした。
そして、第2弾として作り上げたのがラミーコットン糸のタオルです。では、順を追ってご説明いたします。
こころばせラミーコットンタオルはここがいい。
・麻の一種のラミーの弾力性とコットンの柔軟性のいいとこ取り
・抜群の吸水性と保水性。速乾性にも優れる
・ひんやり爽やかな感触
・繊維に優しい酵素仕上げで、洗濯を繰り返しても風合いが長持ち
・従来のバスタオルよりパイルも長め。弾力性のあるふかふかが気持ちいい
・糸から日本製。メイドインジャパンのタオルです
1. パイルは特殊紡績によるラミーコットン糸
タオルの命は肌に直接触れるパイル。各タオルメーカーは当然パイルにこだわります。スーピマ、エジプト綿などの超長綿のコーマ糸の甘撚(あまより)糸を双糸(そうし)にして・・・、ある意味出尽してます・・・が!
いままでタオルのパイルに使用されることのなかったラミーを使ってみようと思いつきました。そして、ついに特殊な製法でラミーとコットンを撚合わせたラミーコットン糸を発明しました。ソフトさとハリを併せ持つ、タオルのパイルに最適な糸となりました。
2. 抜群の吸水性の秘密
通常、高級綿として扱われる超長綿は細くて長いくしなやかな繊維にとって醸し出される上質感がありますが、しっとりも同時に持っています。そしてこのしっとり感は、コットンに含まれている綿蝋(油分)が寄与しているのです。綿蝋を落とせば吸水性はアップしますが、しっとり感が失われます。ここのバランスをとりながらタオルは製品化されているます。
今回のラミーコットン糸の、55%を占めるラミーには余計な油分はなく吸水性がよく、しかも光沢と適度なハリをもたらします。ラミー100%にしないのは、それだと硬くなりすぎて肌に直接触れるタオルには適さなくなくなるからです。
そこでコットンの出番です。
45%のコットンが柔らかさを受け持ちます。このコットンは綿蝋がすくないカリフォルニアのサンホーキンバレー産を使用しています。サンホーキン綿には天然のねじれ強く、ラミーだけでは実現できない膨らみとソフトさタオルのパイルに与えています。あとはどれぐらいの比率で混ぜるかです。
ラミー55%、コットン45%の混合比率にたどり着くまでに試行錯誤を繰り返し、随分月日を重ねました。そしてたどり着いたのが55:45の比率です。この絶妙のブレンドによってもたらされる高い吸水性と爽やかな触感を是非体験してください!
3. 爽やかな触感はラミーの熱伝導率が高いから
ソフトな風合いを謳うタオルは巷にあふれています。その典型は無撚糸タオルでしょうか。また、超長綿使い甘撚(あまより)パイルもその部類です。無撚糸は洗濯による風合いの劣化が大きく糸も抜けやすく、タオルが痩せるのも早い傾向があります。空気を多く含んでいる無撚糸タオルはそれだけで生暖かく、さらっと涼やかな風合いとは正反対の性質を持つことになります。超長綿の甘撚りタオルは綿蝋が落ちていくに従い、吸水性はアップしていきますが当初のしっとりしたしなやかさは失われていきます。
さて、表題の熱伝道率。この値が大きいほどひんやり涼しい感触になります。熱伝道率の比較すると、
空気0,02<<ウール0.37<コットン0.54<ラミー0.63
となります。空気が圧倒的に低いことがわかります。無撚糸タオルはふっくら柔らかで空気を多く含むことになりますので熱伝道率がかなり低くなります。対してラミーコットンパイルは熱電度率は高くなり、涼やかな風合いを生み出します。
柔らかさはコットンが受け持ち、ラミーが良いタオルの条件の弾力とボリュームを作り出します。柔らかすぎず、さらっとした清涼感と弾力性を合わせ持つタオルです。また、ラミーはしっかりした繊維なので風合い変化も穏やかで、むしろ使い心地が増すと感じる方もいて、愛着が長続きするタオルといえます。
4. 繊維にやさしい名水と酵素による仕上げ
ラミーコットン糸は新潟の紡績工場で生産、今治でタオルの製織と洗浄、仕上げを行っています。特に仕上げ工程は今治でも名高い技術とこだわりを持つ(株)河上工芸所さんにお願いしました。西日本最高峰・石鎚山の伏流水(名水100選)を使用し、一般に使用する苛性ソーダや精練剤などの化学薬品は一切使用せず、天然酵素のみで仕上げています。酵素での仕上げによって糸を痛めることなく、柔らかく、吸水性の良いタオルが出来上がります。下図は綿100%のパイルの表面変化の比較写真ですが、ラミーコットン糸においても同様の効果となります。
5. ラミーコットンバスタオルのパイル倍率と規格
せっかく発明したラミーコットン糸を贅沢に味わっていただきたいので、通常のバスタオルよりパイルが長めです。どれくらい長いかという時、我々はパイル倍率という指標を使います。パイル倍率が大きいほどパイルが長くなります。バスタオルの平均パイル倍率は6.1倍(大阪産技研データベースより)。対して、ラミーコットンバスタオルのパイル倍率は7.1倍です。パイルが長くなるとパイルの引きつれが起きやすくなります。またラミーコットンのパイルは表面がツルツルいして滑りやすいので、引きつれがさらに起きやすくなります。そこで研究の結果、ぎりぎりの長さのパイル倍率7.1倍としました。
また、タオルの上下のパイルのないところ(ヘムと呼称)にも、パイルと同じラミーコットン糸を使い、緯朱子(よこしゅす)織で仕上げていますので、パイルと同色の馴染んだヘムになっています(下の写真の手前部分がヘム)。寸法は120cm×60cm 重さ約290gです。
今回のタオルの色は、天然のラミーとコットンの色味そのものの「生成り」としました。素材の色味を損なわない酵素加工ならではの「生成り」色を堪能いただきたいです。
これまで培ってきた繊維開発の知見とアイデアを、日本中の繊維工場の力を借りて本当の意味でのメイドインジャパンを実現できました。私が主催する「こころばせ」ではこれからも、今回のラミーコットンバスタオルのような「全日本繊維産業協業プロジェクト」を全力で展開していこうと思っています。
「全日本繊維産業協業プロジェクト」の第一弾が日本初のラミーコットン糸のパイルのバスタオルです。
タオルに馴染みにのある方やタオル好きの方に、ごく少数サンプル作成したラミーコットンバスタオルを使用してもらって感想をもらいました。
ホテルスパセラピスト
世界随一の優しい風合いタオルだと思います。まさに、新しいタオルの発明品。
ホテルのスパ職務経験から、様々なタオルに触れてきましたが、とても優しい包容力のある肌触りに感銘を受けました。また、それでいて軽いのも嬉しいです。濡れたまま室内に干していても、他のタオルにくらべ乾きが速い点も驚きました。また、不思議と残臭も残りにくく爽やかです。
クリーニング屋さんのほか、コインランドリーに自宅洗いも含め、いくつかの形状の洗濯機で洗濯を繰り返しましたが、劣化も少なく耐久性にも優れています。なので、このタオルの優しい風合いが長続きするのが嬉しいです。
まとめますと、
以下の点が、私がこの発明品に感じた所感です。
1:良質な肌触り
2:軽さ
3:乾きの速さ
4:耐久性
5:今までにない風合いと持続性
私なりに、どんなところで使われるタオルなのかな〜と想像しました。
●リピーターの多い会員制高級ホテルスパ、スポーツ施設。
※リピーターが多い会員制スパは、タオルの使用頻度も高く、それでいてお客様もタオルの質感や劣化には敏感です。軽いという点では、タオルを準備、洗濯する職務の人にも愛されると思います。
●エステや美容室
※顔や身体に触れても、万人を癒す風合いだと思います。
●海外のホテル
※Made in JAPANのこのタオルの優しい風合いは、世界でも喜ばれると思います。
ITエンジニア
肌触りのいいバスタオル。すべすべしていて、濡れた肌の上を這わしてもほとんど抵抗なく滑る感じ。それでいて、一度なでただけで、水分をすっきりと拭き取りきってしまう。
お風呂上りに使っていますが、さ〜っとふけてしまう楽さと、しばらくそのまま肩にかけておきたくなる肌触り。日々の快楽がここに。
このバスタオルは人に勧めたくなる、贈りたくなる。教えてあげたら感謝されるだろうな。
そういえば親友に子供が誕生してた。誕生祝にはこれをプレゼントしたいな。
CAMPFIREキュレーター
いままで使ってきたどのタオルとも違う感触です。
麻やヘチマのようなピシッとした感触が先にきて、あとからふんわりやわらか感がやってきます。
驚いたのが、あえて家族が全身を拭いたすぐあとに使ってみたのですが、それでも普通に使うのと変わらない感触、吸水力でした。
今回サンプルで1枚お借りしましたが、改めて家族全員分買います笑
企画開発者:大窪 裕美
超長文を最後までお読みいただきありがとうございました。開発にかかった時間と思いを拙い文章ではありますが、多少余すところもありますが書かせていただきました。
ブランド名「こころばせ」は古語で、こころのゆきとどくこと、たしなみあることを意味しています。私が作る日本製繊維製品もかくありたしと心がけています。